天体観測で地球の公転軌道の離心率をもとめる 1/2~観測方法編~
公開日:2026/08/28
導入
地球は太陽の周りを周っていますがどのような軌道で回っているかご存知でしょうか。
おそらく多くの人は楕円軌道で太陽の周りを周回していることをご存知でしょう。
では離心率はご存知でしょうか。おそらくこれを即答できる人は少ないでしょう。
今回はだれでも天体観測をすれば公転軌道の離心率をもとめられるように地球の離心率を求める方法を考えてみました。
この記事では離心率を求めるために必要なデータの観測方法を紹介します。
次の記事で観測データから離心率を推定する方法を紹介します。
本文
ケプラー第二の法則
ケプラー第二の法則を一言で説明すると惑星の公転軌道の面積速度は一定であるという法則である。 以上で説明の不要な方は次の項に進んで問題ない。 以下はケプラー第二法則の図説である。導出などはしない。

fig-1: ケプラー第二の法則
ケプラー第二の法則によると色を塗った面積を惑星の移動時間で割った値は、どのような始点と終点をとっても同じ値になるという法則である。 fig-1の場合、常に以下の式がなりたつ。
T1S1=T2S2(1) 公転の移動角度から離心率を求める方法
この項では公転の移動角度から離心率を求めるための基本原理を説明する。
観測誤差や実際の面積速度の計算式は次の記事で紹介する。
今回は説明を分かりやすくするために近日点からの移動角度
θの楕円の弧の面積を
S(θ,a)で表す。

fig-2: 観測可能なデータと未知のデータ
天体観測により移動角度
θ1,
θ2,
θ3と、その移動に要した時間
T1,
T2,
T3は観測結果として具体的な値を取得できる。
一方で、
θ0,
aの2つが未知パラメータである。そのため式(2-a)と式(2-b)の両方を満たす
θ0,
aを求める必要がある。
T1S(θ0+θ1)−S(θ0)=T2S(θ0+θ2)−S(θ0)(2-a) T2S(θ0+θ2)−S(θ0)=T3S(θ0+θ3)−S(θ0)(2-b) 公転の移動角度を観測する方法
公転の移動角度を観測する方法の大まかな流れを以下に示す。
0日目1. 好きな時刻に太陽の方位を観測する
1日目以降1. 前日の観測時刻から23時間56分後の時刻に観測を行う
2. 0日目の観測結果と1の観測結果のなす角を計算する
2で計算した結果が0日目からn日目までの公転の移動角度である。
23時間56分という時間は地球が一周するのに必要な時間である。 つまり地球が同じ方向を向いている時に測定を行っている。
この方法の問題点は観測日が進むごとに太陽が沈んでいくことである。
そのため1年間のデータを収集するためには公転に合わせて地球を一周する必要がある。
前項で公転の移動角度を観測できる理由
以下の画像は0日目の地球の位置と1日目の地球の位置を図示したものである。

fig-3: 太陽と地球の位置関係
黒い矢印は観測者が地球上のどこにいるかを表している。
観測者が真上を向いた場合ベクトルと同じ方向を向いていることになる。
地球がちょうど一周した時刻を対象としているためこのベクトルの方向は0日目とN日目で同じである。
また、地軸も同じ方向を向いている(今回は地軸の歳差運動は考えない)。
この図から地球視点の観測結果をイメージしやすいように0日目とN日目の地球を重ね合わせてみる。
その図形が以下である。

fig-4: 地球の座標の重ね合わせ
観測地点を表すベクトルと地軸の方向は変わらないためfig-4のように重ね合わせるには平行移動で問題ないため、地球から見て太陽が動いた角度と公転の移動角度は一致する。
よって前項で提案した方法で公転の移動角度を観測することができる。
最後に
今回は天体観測により地球の移動角度を求める方法を考えてみました。
次の記事では観測結果から離心率を計算する方法を導出します。
当初の目的は、精度はさておき個人で実現可能な方法を考えることでしたが、地軸の傾きを打ち消す必要があり、地球を一周する必要が出てしまいました。
宝くじが当たった方はぜひやってみてください。